脳科学により明らかになった思考
大脳新皮質全体が様々な思考に関わるが、特に前頭前野が人間の「意識」の中心である。今なにか考えている瞬間、そして目がさめて行動している瞬間、働いて機能しているのがこの前頭前野である。通常、情動が起こると、前頭前野は瞬時に損得のバランスを計算して、情動の抑制と共に、無数の選択肢のなかから最適なものを選ぶ。大脳新皮質の反応は、神経回路の数が多い分だけ時間がかかり、エネルギーも使う。
※脳科学辞典 DOI:10.14931/bsd.1657より
行動経済学の知見
システム2の特徴(※前頭前野の思考の働きに近いと考える)
- システム1(無意識の≒大脳辺縁系の働き)が「提案」した考えや行動を監視し、制御する事。
- 一部の人のシステム2は疲れやすく怠け者。しばしば、システム1が形成した考えや感覚をそのまま承認したり、いくらか修正を加えただけでゴーサインを出したりする。
- 私たちが頻繁に誤りを犯すのは、システム2の知識や能力不足である事が多い。
- 自発的な努力は、少なくても部分的にはメンタルエネルギーの共有プールを利用している。システム2に困難な要求を強いる活動は、メンタルエネルギーを消耗し、不快になる。(自我消耗)
※「ファスト&スロー」ダニエル・カーネマン著 早川書房
「わたし」という意識は前頭前野の活動をいう