本著は、Well-beingに自ら至るための、優れた手引書です。Well-beingとは、生活の質に関する個人の満足度（内閣府、2019年）ですが、著者はこれを「健幸」と分かりやすく言い換えます。

では、個人にとってのWell-being＝健幸とは何でしょうか？　当然ですが、それは1人1人異なるものです。私にとっての健幸は、私が自ら突き詰めて考え、答えを出すほかありません。本著は、私たちヒトが生きていく上での「意識」「感情」「思考」を解き明かし、「私にとっての健幸とは何か？」を考え整理するための、最良のガイドブックであり、パートナーです。

人生がますます長くなる現代社会において、Well-beingの考え方は極めて重要です。当社イオングループも、「新たな時代に対応したヘルス＆ウェルネスの進化」を重要課題と位置付けました。当社の掲げるヘルス＆ウェルネスとは、単なる「身体の健康」だけでなく、「精神的な充実」や「地域社会とのつながり」など、３つの側面が総合的に充足された状態、それを実現する取り組みを意味します。すべての生活者、すべてのお客さまが、日々の暮らしの中で自然と「身体」「精神」「社会」の３つの側面で充足している状態を享受できること、すなわちヘルス＆ウェルネスの民主化が当社の目指す姿であり、まさにWell-beingの実現を重要な経営課題としています。

本著が、多くの生活産業に携わる方々の参考になることを願っております。

イオン株式会社　執行役　尾島 司