2023年2月27日(月)に、2021年に発表された書籍『WELL BEING』を題材にしたオンラインイベントを開催しました。著者である亀ヶ谷正信(弊社代表)自ら、同書籍の内容を紐解きつつ「ウェルビーイング」について語るという趣向です。
今回のイベントは40分の講演と20分の質疑応答で構成されており、講演は大きく次の3つのパート(章)に分かれました。
- Well-beingとは
- 書籍の振り返り
- 事例研究
1. Well-beingとは
最初の「Well-beingとは」のパートでは、主に以下のようなことが紹介されました。
・日本語と英語で「健康」という言葉の意味が異なること
・自分にとって何がWell-beingなのかは人によって異なり、自分にとっての正解を自分で探すしかないこと
・従業員のWell-beingを実現することは会社経営とも関係があるという研究があること
また、Well-beingを考えるうえで欠かせない「キズナの健康」(人間関係の良好さ)に関する話も何点かありました。
2. 書籍の振り返り
「書籍の振り返り」のパートでは、
人間の脳には「思考のメカニズム」「感情のメカニズム」「意識のメカニズム」の3つのメカニズムがお互いに関係しあいながら、私たちの自我を形作っています。
という総論のあと、それぞれのメカニズムに関する説明がありました。
3. 事例研究
「事例研究」のパートでは、コールセンターでSVをしている方からの「2年目のオペレーターの傍若無人な振る舞いに苦慮している」という相談を取り上げました。
「書籍の振り返り」のなかで紹介した脳の3つのメカニズムを当てはめて、相談者の頭の中で何が起こっているのか、捉え方を変えることで何がどう変わるのか、などを見ていきました。
自分が何を望んでいるかに意識を向ける⇒想像力を働かせて⇒共感を呼び覚ます
このサイクルが回るとキズナの健康が良いものになっていく
という結論は、職場の人間関係を考えるうえで示唆に富むものであったと思います。
Well-beingに到達するには
最後に、Well-beingに到達するには何が必要か?についての話がありました。
Well-beingは一個人にとって「何がその人のWell-beingなのか?」の問題であるが、昨今「Well-beingに到達するための取り組み」として様々な打ち手が考案されていることが指摘されました。
例えば、
社内では
・人事によるマネジメント研修
・総務による従業員満足度調査
家庭では
・親しい身内の会話
・プライベートな相談サービス
など
Well-beingは一個人の中で腹落ちした回答が出るかどうかが重要なので、場面ごとにバラバラに打ち手を追加してもWell-being度は向上しないことが示され、
ヒントとして
・一人ひとりが「人間の本質」に気付くこと
・脳をどう使うのかに意識を向けること
・自分の時間とお金の使い方を変化させること
といった話題が出ました。